財団とアジア極東犯罪防止研修所の関係

国連アジア極東犯罪防止研修所HP


1.アジ研の行う国際研修、セミナーなどへの協力

 国連アジア極東犯罪防止研修所(略称「UNAFEI」=「ユナフェイ」又は「アジ研」)は、アジア・太平洋地域諸国の刑事司法行政の健全な発展と相互協力の促進を目的として、昭和37年に設立された国連の地域研修所です。国連の活動の一翼を担って犯罪防止関係の国際研修やセミナーを実施しています。その運営に要する費用は、全額日本政府が負担しており、我が国の国際社会に対する貢献として高く評価されています。ここでは、刑事司法に関する研修やセミナーを開催し、犯罪防止と、犯罪者処遇に関する調査研究などの幅広い活動が行われています。

 活動の中心である研修事業は、政府開発援助(ODA)の一環として法務省を中心に関係省庁の協力のもとに実施されていますが、これは国際社会に対する日本の貢献として高く評価されています。なかでも、各国の刑事司法の指導的実務家を対象とする国際研修(12週間)を年間2回、各国政府の高級幹部を対象とする国際セミナーを年間1回(5週間)実施しています。

 国連と日本政府どの協定により1962年に設立され、国連の活動の一翼を担って犯罪防止関係の国際研修やセミナーを実施しています。その運営に要する費用は、全額日本政府が負担しており、我が国の国際社会に対する貢献として高く評価されています。

  これらの国際研修や国際セミナーでは、毎回、JlCA(国際協カ事業団)が、発展途上国の刑事司法機関に勤務している幹部約20名を招き、これに日本からも幹部警察職員、検察官、裁判官、矯正職員、保護職員など約10名が加わって、全寮制による共同生活を送り、刑事司法の問題解決や一層の発展を図るために議論し、共同研究を行なっています。 

  このアジ研での共同生活を通して内外の研修員の間に緊密な人間関係が醸成され、帰国後もアジ研同窓生の強力なネットワークが築かれており、同窓生は各国の刑事司法の発展のために大きく貢献しています。

  国連は、犯罪を防止して健全な国家開発を進めるため、各国政府の高級幹部職員の研修と刑事政策の研究を目的とした地域研修を世界の全域に設立しています。アジ研は、こうした国連の地域研修のなかでも最も歴史が長く、かつ、最大の研修所として指導的な立場にあり、最近では、ラテンアメリカやアフリカ地域からも研修生を受け入れています。

  財団では、このアジ研での国際研修やセミナーをさらに充実させるため、研修員向けに各種の特別講義を実施する際に財政的援助を行い、海外の著名な刑事司法専門家をアジ研のために招へいするなどの協力を行うとともに、海外からの研修員が日本の歴史的、文化的及び、社会的背景について理解を深めるため、ホーム・ビジット、その他の文化交流プログラムや財団各支部への分散訪問などを実施しています。


●地域住民との交流               ●お茶会


●UNAFEI OLYMPICS                ●日光旅行(財団栃木支部協力)

2.海外におけるセミナー・国際会議等への参画と貢献

 アジ研では、昭和56年以来、、JICAの協力を得てアジ研所長以下のスタッフが海外で相手国の政府と共同して、その国の刑事司法関係者を一堂に集めたジョイント・セミナーを開催しており、開催国はスリランカ、マレーシア、タイ、インドなどの10週か国に及んでいます。財団は、刑事司法専門家の応援派遣、機材の提供など所要の援助を行い、セミナーの充実と各国の刑事司法の発展に寄与しています。


3.各国のアジ研同窓会の設立支援とその活動に対する援助

 アジ研での研修活動の支援も重要ですが、研修員の帰国後の活動の中でこそ、その研修の成果は本当の花を咲かせます。財団設立の大きな目的の一つは、帰国した研修員の組織化と、その連帯と協力によるアジアの刑事司法の改善でした。今や2700人を越える研修員は、財団の支援により50以上の国でアジ研同窓会を組織してアジ研を核とする強い絆と親日的な関係を維持し続けています。また、同窓会が中心となって各国独自の企画・方法で最も必要とする調査研究の実施、セミナーの開催、一般市民への広報啓発活動の推進などに努めており、財団は、これらの活動も財政的・技術的に支援しています。
 各国の同窓会員の多くは、その国の刑事司法の中枢にある人々です。例えば、タイではアジ研同窓が最高裁判長、検事総長、矯正長官、警察副長官を網羅したときもありました。子の様に、同窓生を中心とした活動を応援することは、とりもなおさず、その国の刑事司法機関の応援となり、犯罪防止の推進に大きな実質的成果が期待されるのです。

4.海外支部の設立・発展の支援

 この同窓会を中心に、財界、学会、その他角界各層の方々の参加を得て、各国に財団の関連組織が作られています。便宜上海外支部(チャプター)と呼んでいますが、各国の個別組織で、国際協力を進める永続的基盤であります。財団はこれらのチャプターの設立や設立後の活発な活動を促進するため、財政的・技術的援助をしています。

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5.ACPF犯罪防止・刑事司法世界大会の開催

 財団の最も重要な機能は、ACPF世界大会の開催による国際協力の推進です、1992年に国連NGOに認可された記念行事として、アジ研同窓会総会と「犯罪なき繁栄のための諸条件」について国際シンポジウムを開催したのを皮切りに、その後例年のように、マレーシア、フィリピン、タイ、韓国、日本で開催されてきました。それぞれマハティール首相やラモス大統領などの各国首脳の基調演説で開会されており、ACPF大会の高い格式を物語ります。実務家会員がアジアの緊要な犯罪問題について討議しているとき、一般会員は、現地会員との交歓、施設見学、観光などを行います、第7回大会は1999年11月「次の1000年忌におけるアジアの犯罪防止と刑事司法分野での効果的地域内協力」をテーマにインドで開催されました。第8回世界大会は2000年10月「21世紀への挑戦に向かって」というテーマで中国北京で開催されました。
 この様に、各国の刑事司法関係者が一同に会して協議できる機会と場所と経費とを提供してきたことは、深い信頼関係にあるACPFだけができる意義深い現実的貢献です。とくに、欧州理事会のような常設的協議の場がないアジアにとって、このACPF大会が各国のこの分野での国際協力を推進する重要な協議と実践の場です。大会での協議は、事前に開かれる国際作業部会の結論を基礎資料として行われ、極めて専門性の高いものです。したがって、この大会の結論は国連文書にも、しばしば引用され、アジアの総合的な犯罪対策の策定・推進にすくなからぬ貢献をしています。

●ラモス大統領と握手する財団設立功労者池崎尚美氏と敷田理事長

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6.小地域会議の開催

 1998年から世界大会を隔年開催とし、中間年に地域限定した小地域会議を開催することになりました。この方式は、近隣諸国相互間の問題が類似しているので、国際協力の協議も更に具体的になると期待できるからです。第1回はフィジーで周辺6カ国の警察・検察・矯正などの首脳を集めて開催されました。ランブカ首相には、基調演説だけでなく、親善ゴルフ大会の賞品授与式にまで参加頂き、日本からの120人の参加者は喜びを深くしました。

●鯨の歯を手に謝辞を述べるランブカ首相(中央)と敷田理事長(右)(フィジー)
●伝統芸能の夜(フィジー)

7.海外職員に対するフェローシップ(参加経費の提供)

 国内支部から海外の提携先の国の幹部職員をアジ研の研修に参加するフェローシップを提供しているほか、5年ごとの国連世界会議、国際刑事学会総会などに参加する経費を適宜提供するなど、人材育成やアジアの発言力強化に努めています。

8.国内支部の活動の推進

 日本各国の設立されている支部には、財団本部自体の活動の支援や、アジ研の国際研修員を招待して、会員との交流、海外専門家を招へいして公開講演会や座談会の開催、海外支部との友好協約による提携をなどを行っていますが、その活動はますます充実強化され、国際貢献は一層増大しています。

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9.機関紙、カレンダーなどの発行

 財団では、機関紙として英文の“ACPF TODAY” “New Society”と日本文で会員向けの“アジア刑政通信”を定期的に発行するほか「アジアの検察」などの実務的価値の高い単行本も刊行していますが、これらの出版物は刑事司法機関、内外の大学、図書館などに配布しています。そのほか、アジア地域の刑事司法関係の情報センターとしての機能の充実を目指して努力しています。
 また東京芸術大学絹谷幸二教授の作品でカレンダーを作成し、アジ研と財団のマークを入れ、財団のスローガン「犯罪なき繁栄」をアジア各国の国語で表記して多数の国に配布しています。

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アジ研同窓生の分布状況(平成11年度第112回国際研修まで)